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スイートルームに備え付けのバスローブを着て、ベッドルームに戻る俺と美優。
甘い空気など、もはや無くなっていた。
「和真くんの将来の夢、世界一のアーティストになる事だったの?」
お風呂から上がり、備え付けの冷蔵庫からミネラルウォーターを取り出して飲んでいたら、美優に突然聞かれた。
「違う。アメリカの最先端のテクノロジーやITを学んで起業する事。テクノロジーを駆使して曲を作り大ヒットさせて俺の存在を世界に知らせるつもりだった。カリフォルニア工科大学に日本人の同志が2人いる。協力してくれそうな大企業の御曹司が2人いる。博士課程を卒業したら即、起業する」
美優は夢実現したが、俺はまだ夢実現の過程を歩んでいる途中だ。
約束では俺も叶えてないといけない。
後、3年はかかる。
そこまで待つと30歳になってしまう。
さすがに在学中でもアーティストとしての収入があり、美優も大学院修士課程を卒業したからアメリカに連れていきたい。
そう思っていたけれど、美優が小説家とアーティストの仕事以外にスクールカウンセラーの仕事をしていて、3月いっぱいまでは働きたいと言ってるから我慢することにした。
来年の6月に美優を迎えに帰国する。
その時に結婚をしたい。
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