通禁電車

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……背後から、突然に手の感触が襲った。 (え…嘘だろ?)びくりとして振り返るが、通勤ラッシュの混み合った電車内では、一体誰の手が触ったのかなどわからなかった。 気のせいか……そう思おうとした時、また、それは感じられた。 誰かの、明らかに意思を持った、手の感触……嘘だろ……と、再び思う。 骨張った厚みのある手の感じからして、異性じゃない……同性だ。男性? まさか……そんな、俺も男だ。 同じ男から(さわ)られているという事実を受け取め切れずにいる隙にも、手は尻を撫でまわして、そうして股の間から差し伸ばした指の先で、玉の辺りをぐりぐりとまさぐってきた。
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