688人が本棚に入れています
本棚に追加
/14ページ
ーー翌日、どうしてだか俺は、
気がついたら、昨日と同じ電車に乗っていた。同じ時刻、同じ車両……乗ってから、なぜ時間をずらして別の電車に乗らなかったんだと感じた。
昨日の通勤時と変わらず、出入り口付近で鉄の棒を掴んで立っていると……
あの手は、再び伸びてきた。
逃げなければならないのにと思う。思いながらも、同じ場所につい来てしまった自分は、もしかしてこの手を待っていたんじゃないかとも感じるのを、どうにも頭の中から消せなくなる。
向こうも、俺が待っていたんだと感じているのかもしれない。
昨日よりも、触る手はダイレクトだった。
股の間から現れた腕は、ズボンの上から形を確かめるようにもさすった後で、
当たり前のように、ジーッとチャックを下ろした。
「…うっ、あ…」声が漏れて、慌てて口をつぐみ、
それから、持っていたカバンで咄嗟に前を隠した。
カバンの影から潜り込んだ手が、下着の上から竿を袋を、撫でるように揉んで行く。
最初のコメントを投稿しよう!