通禁電車

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ーー翌日、どうしてだか俺は、 気がついたら、昨日と同じ電車に乗っていた。同じ時刻、同じ車両……乗ってから、なぜ時間をずらして別の電車に乗らなかったんだと感じた。 昨日の通勤時と変わらず、出入り口付近で鉄の棒を掴んで立っていると…… あの手は、再び伸びてきた。 逃げなければならないのにと思う。思いながらも、同じ場所につい来てしまった自分は、もしかしてこの手を待っていたんじゃないかとも感じるのを、どうにも頭の中から消せなくなる。 向こうも、俺が待っていたんだと感じているのかもしれない。 昨日よりも、触る手はダイレクトだった。 股の間から現れた腕は、ズボンの上から形を確かめるようにもさすった後で、 当たり前のように、ジーッとチャックを下ろした。 「…うっ、あ…」声が漏れて、慌てて口をつぐみ、 それから、持っていたカバンで咄嗟に前を隠した。 カバンの影から潜り込んだ手が、下着の上から竿を袋を、撫でるように揉んで行く。
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