0人が本棚に入れています
本棚に追加
私は響の家のインターホンを押した。
「なんだよ。」
「響。さっきはごめん。話したいことがあるの。出てきてくれる?」
「わかった。」
部屋着のまま出てきた響。
「何?」
「ここじゃあなんだから、公園でも行かない?」
「着替えるから玄関で待ってて。」
「うん。」
響の家に入るなんて何年ぶりだろう。
小さい頃は毎日来てたはずなのに。
あ、この置物。確か響がふざけて落としたから端っこが欠けてるんだよね。
ここには私たちの思い出が詰まってる。
やっぱり、響を他の人に渡したくない。
「桃子。お待たせ。って、なんで泣いてんだよ。」
気づけば涙を伝ってた。
響は私の背の高さまで屈んでパーカーの袖で私の涙を拭った。
「…き」
「え?」
「響。好き。」
最初のコメントを投稿しよう!