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どんなに遠く離れていてもやって来るので、着く頃には雨がやんでしまうときもある。そんなとき、その人は恥ずかしそうに笑って、それから、ちょっとばかり私を喜ばせることを言う。
「まあ、いいか。わたしはいつでもあなたに会えたら嬉しいから」
まあるい光のように笑うその人の笑顔は、完成された宇宙みたいで、私はいつも、その人の懐に飛び込んで、額をぐりぐりしたくなる。わたしの体中からぽんぽん跳ねる「好き」に気づいて、その人も嬉しそうな顔をする。
わたしはいつも、死にそうだ、と思う。
幸せで幸せで、愛しくて愛しくて、このままこうしていたら、きっと爆発して死んでしまう。そう思うほどの力がむくむく湧いてくる。
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