笑いかければ、まあるくひかる。

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 ――――むかしむかしのわたしは、この町も国も地球も宇宙も、大嫌いだった。だから毎日、「好きな人をください」と祈っていた。もし好きな人ができたら、その人を生かしていたこの世界も、まあ許せるかもしれないと思ったからだった。  でも、祈って見上げた青い空は、わたしに言った。「あなたは最初からこの世界が大好きなのに」  わたしは言い返した。「どうしてもそうは思えない」  ころころところがりながら、空は言った。「わらってごらんなさい。きっと思い出すから」
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