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外の風を浴びたくてテラスに向かった蒼真。
テーブルの上のライトストーンが光を放っている。
シャワーを浴びたのだろう、髪を濡らしたまま椅子に座った千尋がいた。
夜空を見上げる彼は何を考えているのか。
振り返らずに千尋は声をかける。
「ねぇ、あっちではオレ達が行方不明って騒いでるんだろうね」
「間違いなくそうだろうな」
家族や友達、みんなに迷惑をかけるだろうと考えると申し訳なく思う。
そんな事考えてもどうする事もできないわけだが。
「受け入れ難いが夢とも思えない。オレ達はここで生きる為にやれる事をやるしかないよな」
明日また訓練に励もうと思う二人。
しばらく夜空を見上げながら他愛もない話をして、眠くなってきたところで部屋に戻った。
シャンプー類や歯ブラシなど生活に必要な物もこの世界に揃っている。
先に来た地球人達が広めたものなのだろう。おかげで生活に特に不便はなさそうだ。
ベッドに横になり今日の出来事を思い出しながら静かに眠りに落ちていった。
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