003 魔法

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 魔力量を多めにして頭の大きさほどの魔力球を出す。  千尋の魔力量の半分程の魔力球を、この状態から圧縮していく。  小さくなった魔力球は光量が上がり、とても眩しい。  そして……  光が消えて何かが落ちた。 「これは…… 透明な丸い石?」  拾い上げて見つめる千尋。 「ちょっ! ちょっと貸して!!」  リゼの声に驚きつつも石をリゼに渡す。  じっくりと石を見つめながらリゼが肩を震わせている。 「リゼ、どした?」 「どしたじゃないわよ! これは私達が研究してたうちの一つよ!」  魔力の結晶化らしい。  魔獣が結晶化するのと同じらしいが、人為的に作る事はこれまでできなかったようだ。 「リゼ、その結晶は千尋がただ魔力を込めたものだよな? どんな効果があるんだ?」 「んー…… たぶん無属性の魔石だと思うわ。この魔石に魔法や効果をイメージして持たせれば何にでも使えると思うんだけど…… 試してみたいけどまた作れる保証は無いわよね?」 「ん? あるよ?」  と、千尋はまた魔石を渡す。  話してるうちに作ったらしい。  いとも簡単に作る千尋に呆れるリゼだったが、コーザ達他の研究者にも見てもらいたいからちょっと待っててと駆けて行った。  待ってる間蒼真も試していたが作れなかった。
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