003 魔法

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 研究者達が去り、また訓練を再開する。  イメージを魔力に乗せるのが魔法である為、リゼも特に教える事がないからと研究者達について行った。  時間はまだあるし千尋と蒼真は地属性魔法の練習を始める。  千尋は土を盛り上げ、自分の身長ほどの城を作り出し、魔法で砂遊びみたいな感覚だ。  さすが器用貧乏、細部まで細かい造形に本人も満足気だ。  蒼真は砂を巻き上げて棒状に形を作る。  砂の木刀のようだ…… 木ではないが。  それを素振りし、ある程度の強度がある事がわかる。  そして千尋の土の城に近づき、振りかぶる。 「いくぞ。千尋!」  振り下ろす砂の刀。 「させるかぁぁぁ!」  城の前に土の壁を作り防御すると、砂の刀はアッサリ崩れた。 「やはり脆いな」  また砂場から砂の刀を作った蒼真。  土の壁に袈裟斬りをすると土の壁が切り落とされた。  砂の刀もなくなっていたが、驚く千尋に蒼真が説明する。 「切る瞬間に砂を流動させた。流動した砂を戻す事ができなくて散ったけどな」  恐ろしい事をする奴だった。あれだと人体も叩き斬れそうだ。  ここ数日、魔力の消費を考えずに魔法を使用していたため、二人は何度もマインドダウンで気絶した。  最初は蒼真が倒れた時に焦って水をかけたりもしたが、三十分ほどで目を覚ましたのでマインドダウンと判断した。  そのおかげもあってか、だんだん自分の魔力の量を感覚で把握できるようになってきた。
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