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004 勉強会
この世界に来て十一日目。
午前は勉強、午後から練習の日々を過ごす毎日。
そして今日の十五時からは研究者達との話し合いとなり、研究課題に対して千尋と蒼真の知識を提供する事になっている。
リゼも地球から来たとはいえ、まだ八歳だった。
千尋や蒼真、高校生と比べれば知識量は歴然の差だ。
そして千尋は別として蒼真は頭がいい。
千尋は学年中の真ん中くらいで興味がないと勉強を一切しない極端振り。
それに対し、蒼真は学年中常に上位。
全て蒼真に任せて良いんじゃないかと思っている千尋だったが、魔石を生み出せる時点で逃れられない。
午後の訓練では四大属性以外にできる事を模索する事になった。
二人は自分が思う魔法を考え、試行錯誤しながら魔法を作り込む。
二時間はあっという間に過ぎてしまったが、やはり魔法を使うのは楽しい。
納得のできる魔法を二人は完成させられなかったようだが、思いつき程度にリゼに見せた。
理由は名前のある魔法かもしれないからだ。
蒼真は重力操作。
リゼに魔法をかけて怒られ、リゼも蒼真にやり返していた。
魔法名重力操作と安直な名前だった。
この重力操作は物質だけでなく人間や生物にも使えるが、対象が魔力を制御できる場合には簡単に解除されてしまうようだ。
次に千尋は手の指から放電して見せた。
スタンガンをイメージし、親指と中指で放電させた。
困った事にこれも研究課題にあるらしく、千尋には説明できないのが問題だ。
単純にイメージだけでできてしまう器用さだった。
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