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メモを取る三人は研究者の中でも若い。
リゼが一番若いのだが、アルバイトというか協力者というポジションの為かメモ係ではない。
一通り物理学的な説明を終えた蒼真だが、まだ水球を手にしている。
たぶん練習のつもりでずっと維持し続けていたのだろう、真面目なやつだ。
そして、魔法はイメージだという事であれば今説明した事の全てを理解しなくても使用できると言う。
蒼真は千尋を指差して一言。
「千尋は今オレが説明した事を全ては理解していないが氷は作れる」
注目を浴びる千尋。
蒼真の方に手をかざして水球を凍らせた。
イメージを持つという事なら水を濁らせ、水は動かないのに中の濁りが高速で動いていると思えばいい。
動かすのではなく、動いているのが通常時。
その動きを遅くするだけで簡単に凍りつくのだが、動きを遅くするのには多くの魔力を消費する。
イメージと魔力の操作。
魔法は発動するのにイメージの方が重要らしい。
魔力制御は魔力を安定させるように考えるのが常識の中、安定させた魔法は実は動いているのが当たり前の状態と考える事はこれまで思いもよらなかった。
氷の魔法を練習する為、全員がコップの中の水に集中する。
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