002 魔力

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002 魔力

 昼食が終わり、研究所の管理人に千尋や蒼真事を説明しに向かうリゼ。  宿泊する事、ここでしばらく修行をする事を管理人さんも快く了承してくれた。  理由は地球人からもたらされる知識は、この世界の発展につながる、魔法の研究が大きく進むとの事だった。  実際リゼがこの世界で生み出した魔法、技術も大いに役立っているらしい。  これから魔力を目覚めさせるという事で、また訓練所に戻って来た。  地属性魔法で盛り上げて作られた椅子に二人並んで座り、目を閉じてリゼの言葉を待つ。  リゼが前に立ち二人の額に手をかざして、手のひらに魔力を集める。 「額に何か感じる?」 「暖かい、光のようなものを感じる」 「あぁ。それと……」 「これ、光るキノコかな?」 「やはりキノコだよな」  リゼは恥ずかしそうに頬を染める。 「お昼のスープに入ってたから頭に浮かんだだけ!」  魔力が光るキノコという謎の現象。  咳払いしてリゼは続ける。 「そ、その光に意識を集中して大きくできる?」  意識を光る元キノコに集中する。 「お! できるできる!」 「大きくも小さくもできるな」 「じゃあ今度は全身にその光が膨らむようにイメージしてみて」  千尋は光が全身に広がり少し身体が軽くなったような気がした。 「これで…… いいのかな?」 「千尋、できるの早すぎよ!」 「なに!? もぅできたのか? っっあぁ!! 戻った!」 「蒼真はまた一からやり直して! 集中集中!」 「ぐぬぬ……」
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