276 女装男装の魔王誕生祭

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 もちろん魔人達も男装、女装をしてこの魔王誕生祭に参加する。  クリシュティナは朱王からもらった至高のドロップを首から下げており、髪色は淡い紫に煌き効果を加えた鮮やかで美しい様相に。  目は人間や人魔のように結膜を白くして、角膜はそのまま赤としている。  西の国の魔人上位者達もこの日からは観光する許可が出ており、それぞれにクリムゾン隊員のお供を付けて王国内を散策する事になる。  女装や男装の恥ずかしさよりも、王国を見て回れる楽しみの方が勝る為か、急いで用意された服に着替えて街へと飛び出していた。  また、生き残った七千人を超える西の魔人達も、依頼を受けた冒険者達を同行者としてザウス王国内に入る事を許されている。  薄い布を纏っただけの魔人達にも女装や男装をさせる必要がある為、まずは市民街の衣料店に案内するのが決まりとなっていた。  ゼーン達老魔人も女装をして街へと繰り出し、美しい街並みと笑顔溢れる多くの人々を見回しながらクリムゾン隊員と共に練り歩く。  美味しい料理を食べながら歩く人間領の街並みは、誰もが豊かで幸せに満ちている。  朱王が語った笑顔溢れる幸せな世界は今すでにここにあり、魔人領全土にも広がる事を想像するとゼーンの心も満たされる思いだ。  今は亡き先代魔王ゼルバードが望んだ世界がここにあるのだと思い、目頭が熱くなる。
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