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003 魔法
翌朝、目覚めるとまだ六時前だった。
たぶん昨夜寝るのが早かった為かとも思う。
顔を洗って歯を磨き、外のテラスに出てみる千尋。
「早起きだな、蒼真」
また魔力の練習をしている蒼真がいた。
「おはよ、千尋も起きるの早いじゃないか」
蒼真は魔力球を遠くに置いたまま、顔だけこちらを向いて応えた。
そして手元に魔力球を引き戻す。速くはないがブレずに戻ってくる。
「いくら速く動かそうと思っても動きが速くならない。オレは遠距離の魔法は向いてないのかもしれないな」
そう言えばリゼが言っていた。
魔力の移動速度は魔法の速度であり、そこから考えると千尋は遠距離魔法が向いてるという事か。
まぁ近距離魔法も遠距離魔法も魔力の制御はこのやり方が効率的との事だったので問題はない。
千尋も魔力制御の練習をして、しばらくするとリゼが起きてきた。
「おはよう、早起きね。朝練なんて頑張るじゃない」
リゼは二人の練習を見て魔力の制御がしっかり出来ていると判断し、次のステップに進もうと判断する。
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