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この涙は君のもの
夏休み、高校の夏期講習帰りの私は、部活帰りの陽太とコンビニでアイスを買って食べていた。
「お盆に透也、帰ってくる」
陽太がそう言いだして、アイスを口元に運ぶ手が止まった。
「へぇ、そうなんだ」
「嬉しくねぇの?」
「嬉しいよ。半年ぶりくらいだよね。」
前に会ったのは3月だったかな。
「仕事が色々大変らしい。久しぶりに会ったらかなり変わってたりしてな」
「たった半年で? そんな変わらないでしょ」
「どうだろうな。あ! お前のアイス落ちてんじゃん! あーあもったいねー」
手元のアイスを見たら、木の棒しか持っておらず、足元に水色の氷の欠片が落ちていた。後でアリがたかるだろうなと思った。
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