この涙は君のもの

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「お前さ、いつもなんて言って断ってんの?」 唐突に陽太が聞いてきた。助け舟のつもりなのか。でも、それだって透也には言えない。 「それは、……友達にしか見れないからごめんって言ってる」  本当は、他に好きな人がいるからと言っている。 「へぇ」  陽太はわざとらしい空返事をした。あいつはきっと本当のことを知っている。ああ、そんな冷めた目でこっちを見るな。 「なるほど。付き合えるなら誰でもいいってわけでもないよな。わかるよーそれ」  それはつまり、透也も今までちゃんと相手を選んで付き合っていたんだね。軽く付き合うほど適当じゃないって知ってた。でも、それがなおさら透也との壁を感じる。 「ねぇ、次はこっちのゲームやろうよ」 早く話題を変えたくて、勝手に別のゲームソフトを入れ替えた。
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