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機体が撃ち落されたのはついさっきのことだけれど、もうひどく昔のことに思える。 駆動系も電気系もみなやられてしまったので、もうなにもすることはない。 敵機を撃ち落とすことも、僚機を援護することも、追い回すことも、逃げ回ることも、できない。 あれだけ必死に戦っていたのに、未練もないし、悔しいとも思わない。 味方の心配もしない。 敵への憎悪もない。 ぼくはこの戦闘区域から離脱したのだ。
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