勘違いにも恋がある

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 入浴やらを終えて、レオンは一般兵舎から司令官部屋へと移動していた。クロードの部屋は4階にあり、レオンの部屋からは階段を上がらなければ行けない。  大抵の人はもう部屋に引きこもっているか、食堂で酒を楽しんでいる時間。だからこそ誰にも会わずにクロードの部屋に行くことができた。  ドアの前には就寝中を知らせるプレートが掛かっていて、周囲は静まりかえっている。それでなくても4階はクロードの部屋以外、夜に人の出入りのある部屋はない。こんなプレートをいちいち掛けなくても誰も彼を起こさない。  これは合図なのだ。「誰も入るな」という意味と、レオンに対しては「部屋にいる」という意味だ。  一つ溜息をつき、気合を入れる。明日が休みだから、今日はきっと大変なのだ。 「レオンです。失礼します」  一応一言伝えてからノブを回し部屋に入ったレオンは、案の定な光景にただただ溜息が出た。 「レオン……」 「いつからこの状態なんだアンタは!」  急いでドアを閉めて鍵をかけたレオンはどこからツッコめばいいのかもう分からない。     
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