1.柴崎琴音

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 カアッと顔が熱くなるのがわかった。まるで自分が告白されているかのような、くすぐったさ。柴崎のあのビジュアルで「好きです」を再生していると、「ごめんなさい」と唐突の謝罪が現れた。 ──緊張して、上手くいかない 「かわっ、可愛いかよっ」 ──いやいや俺も。俺もめっちゃ緊張してるから。安心して ──優しい 「ひゃー」  なんだこの楽しさは。柴崎が可愛い。愛しい。すごく好きだ。別に柴崎に恋心を抱いていたというわけではなく、可愛い女子、いいな、くらいの認識だったが、今はもう俄然、好きだ。  もっと話したい。なるべく長く会話を続かせたい。 ──柴崎さん、誕生日一月二十日なの?  sivainu0120の0120は、誕生日と考えるのが妥当だ。くそ、まだまだ先だ。今すぐにでもプレゼントを渡したい。柴犬のぬいぐるみとか。ありがとう、と嬉しそうにぬいぐるみを抱きしめる柴崎を妄想して、にやけてしまった。 ──いえ。誕生日は六月十五日 ──え? でも0120って ──別に、これはただのフリーダイヤル  噴き出した。 「はあ? 何それ、不思議ちゃん?」  可愛い可愛いと絶賛してしまう。シーツの上で転げまわり、あっと声を上げる。 「てか、誕生日明日じゃん」  慌てて文章を打ち込んだ。 ──明日じゃん ──はい。です ──おめでとう! 明日、おめでとう! ──ありがとう(笑) 「おっしゃ、うけたぜ」
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