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カアッと顔が熱くなるのがわかった。まるで自分が告白されているかのような、くすぐったさ。柴崎のあのビジュアルで「好きです」を再生していると、「ごめんなさい」と唐突の謝罪が現れた。
──緊張して、上手くいかない
「かわっ、可愛いかよっ」
──いやいや俺も。俺もめっちゃ緊張してるから。安心して
──優しい
「ひゃー」
なんだこの楽しさは。柴崎が可愛い。愛しい。すごく好きだ。別に柴崎に恋心を抱いていたというわけではなく、可愛い女子、いいな、くらいの認識だったが、今はもう俄然、好きだ。
もっと話したい。なるべく長く会話を続かせたい。
──柴崎さん、誕生日一月二十日なの?
sivainu0120の0120は、誕生日と考えるのが妥当だ。くそ、まだまだ先だ。今すぐにでもプレゼントを渡したい。柴犬のぬいぐるみとか。ありがとう、と嬉しそうにぬいぐるみを抱きしめる柴崎を妄想して、にやけてしまった。
──いえ。誕生日は六月十五日
──え? でも0120って
──別に、これはただのフリーダイヤル
噴き出した。
「はあ? 何それ、不思議ちゃん?」
可愛い可愛いと絶賛してしまう。シーツの上で転げまわり、あっと声を上げる。
「てか、誕生日明日じゃん」
慌てて文章を打ち込んだ。
──明日じゃん
──はい。です
──おめでとう! 明日、おめでとう!
──ありがとう(笑)
「おっしゃ、うけたぜ」
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