親友の想い人~セカンド~

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どういう…ことだ? 今の話は? 飛び起きると去ってくふたりの後を追いかけて、首根っこをつかむと木の幹に背中を押しつけた。 「どういうことだ?あの男がなんだって!?」 うわっ、やべえ。と顔色を悪くしたヤツが言った。 「言えよ。どういうことだ!」 「あいつ、女に飽きやすくて次々に変えてて。別れ話が拗れるのイヤだからって俺たちにマワスんだよ。で、今度はあの美鈴って娘で」 もがく男の話に愕然とした。 美鈴の相手がそんな野郎だとは思わなかった。 いや、わかってたのかもしれない。 美鈴をフッた時にひどい言葉で傷つけた男なんだから。 「佑」 狼が後ろから俺の名を呼んだ。 「そいつ、今どこだ?どこにいる!?」 「もう遅いって。さっき外へ連れ出してったし」 「場所は!?どこだ、どこにいる!?」 胸を焼く焦りしかない。 さらに締め上げると苦しげな呻き声で、駅近くのカラオケボックスの店を白状した。
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