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「僕の彼女になってほしい」
この瞬間をずっと待ってた。
美鈴が好きになった男からの告白。
フッたひどいセリフは今、愛の告白に変わってる。
美鈴の想いが実る瞬間に立ち会えているのになぜか見たくなかった。
「佑ちゃん……?」
「沙良、俺は先に教室に行ってるから。狼にも言っといて」
一緒に登校している沙良が俺のシャツの裾をつかんで、美鈴ちゃんが告白されてるよと言った。
「あいつの想いが叶うんだからこれでいいんだよ」
「でも!」
これでいいに決まってる。
美鈴が泣くほど好きな男にやっと想いが通じたんだ。これを祝えないなんてことはない。
「佑ちゃんは美鈴ちゃんのこと好きなんでしょう!?」
「違う。俺の好きなのは……」
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