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以前は、登下校は狼と沙良と俺と三人で歩いていた。
俺と沙良が並んで、一歩下がってバカ狼が。
けれど、今は違う。
沙良を挟んで三人並んで歩いている。
俺の名は佑。
この間、微妙な三角関係にピリオドを打った。
「沙良、制服のリボン曲がってる。それに口にもジャムがついてるぞ」
「えっ?やだ、どこ!?」
「ここだよ、ほら」
2つ年下の幼なじみ。
幼い頃から俺がいないと何もできなかった可愛いうさぎ。
その愛らしい口からはみ出たジャムを拭ってやる。
「あ、ありがとう、佑ちゃん」
可愛いうさぎは満面の笑みで俺を見る。
と、バカ狼が沙良をベリッと引き剥がしその後ろから不機嫌な顔を覗かせた。
「触るな」
「俺が沙良の面倒をみるのは当然のことなんだけど?」
「これからは俺が沙良の面倒をみる」
バカ狼が以前から沙良に惹かれていたことにも気づいてた。
俺の取り巻きが沙良をいじめるとバカ狼が助けに行くのにも、ふたりがいつしか想い合うようになったのにも気づいてた。
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