親友の想い人~セカンド~

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疑いもなく沙良が手を伸ばしてジャージを受け取ろうとして、 ひょい、 『俺の貸してやるからいい』 沙良の前に片手を広げたのが、狼だった。 「なに?おまえ、ヤキモチなわけ?」 「だったらどうした?」 「ヤキモチやきの男は度を過ぎると嫌われるって知ってるか?沙良には今までもそうしてきたんだ。特別に今日だけってわけじゃない」 人見知りの沙良は他のクラスにジャージを借りにいく友達はいない。 忘れた時はいつも俺が貸してた。 当然、俺が渡そうとして、 「どうした、沙良」 沙良はジャージを受け取らない。 少し頬を赤くして小声で、「狼くんから借りるから…」と、答えた。 「そうか、…わかった」 こんなにショックだと思わなかった。 沙良が狼のものになったと思い知らされる。 ふたりのそばで今までのように接してられると思ってたのに。 突きつけられた現実に打ちのめされる。
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