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今の私は、何が悪か、何が善か見極められる眼を持ちあわせているはずなのだが、まだまだ眼差しの眼も唇も掴みとれるこの手も立ち向かう足さえも使う事をためらう私自身が確かにいる。
逃げているのか、追っているのか同じ場所を行ったり来たり迷路のように道が沢山わかれている。
沢山の別れ道も、いつかは向かう足が決まるのだろか?
空を飛びかう鳥達は、めざす場所があると言うのに。
未だ迷い迷路を作りまた進む、意味のない事?
いつかは意味をもつ?
いや、どうなれるかはまだわからず今日を生きてゆく。
・・・・・・・・・・・・・・
朝の陽をあび、目覚めた事にまた今日が始まると、普通にただ普通に唇からこぼれる言葉を、救い続け笑って見せた鏡の中の私は、どれだけの時間(とき)がたったのか、唇を噛み締めるしかやり場がない。
何処にいても何をしていても、過去の私がすり寄り囁く。
肩から背中の向こうへ拡がる煌びやかなそれでいて繊細な翼が自由を求め飛び立つのを今、そう今よと心に秘める。
心に秘めたものを掌に包み自由な翼にのせて飛び立ちたい。
早くはやく・・・・・
闇が・・・
翼を折る、折れもがれ引き千切られる為に在るのではないと、声にもならない声が襲いくる闇に掻き消された。
湧き出る血涙が頬をつたい、貫かれた心臓(こころ)は傷が残り僅かな望みも満ちてはひいていった。
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