現実

3/3
前へ
/9ページ
次へ
 「早く、朝は忙しいんだから・・・」  「はい。」 私は、慣れてしまった手つきで朝食を、皆が座っているテーブルにならべた。 私をいれて5人にテーブルには椅子が4脚しかない。私の腰掛ける場所は、テーブルになくてキッチンのすみに、寄りかかるしか身体を休める方法を知らない。 皆が食べ終わりテーブルにある皿をさげながら残り物を口におしこむ。  「早くかたずけなさい!」 私の(ままはは)がきつく急かす。  「はい・・・」  「何!」  「いえ・・・」 私は、母の痛い視線を感じながら食器を洗う。 今日は、パンのみみを母の小言の前に、口にはこべてラッキーだった。  「そこがすんだら今日は、いつも以上に綺麗に掃除して夕食の準備をしなさい。」  「はい。」  「夕食は、お客がくるから・・・」  「?・・・」   「仕方ない・・・あなたも席に。」  「はい!?」  「わかってるわね。」  「は、はい。」 (ままはは)に言われいつも以上に床を磨き上げ、大きなフードがついた上着と帽子にマスクで、遠くのスーパーに行く。
/9ページ

最初のコメントを投稿しよう!

8人が本棚に入れています
本棚に追加