尾行

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尾行

 日向は4係の松田恵梨香巡査部長とコンビを組むことになった。  恵梨香はどこからどう見てもキャバ嬢だ。  盲虎組の中で連城が殺害された時間、アリバイのないヤクザは5人だ。  石田高史、小西未来、大沢雅裕、浅利成、谷原雅人。  日向たちは石田を尾行していた。  石田は泉町って繁華街にあるパチンコ屋に入った。『海物語』で遊んでる。  出はあまりよろしくないようだ。  石田の右隣で日向もゲームを始める。  その隣に恵梨香が座る。 「アタイ、パチンコやったことないんよ」 「レバー回し過ぎ」 「そーいや、連城死んだんでしょう?」 「いいざまだ、俺を馬鹿にしてっから罰が当たったんだ、ケケケッ」  石田が日向を見た。 「ん?何?」 「そのハナシ、マジ?」  石田はパンチパーマ、顔は痣だらけだ。 「アンタ、連城の知り合い?」 「あの野郎には痛い目合わされた」 「マッポなんか皆死ねばいいんだ」 「気が合うじゃん?今度ウチに来なよ?」  潜入することになるのか?と、ヒヤヒヤしたがウチってのは組ではなく、アパートだ。東武駅の近くにある。  レ○パレスだ。ブラックだって噂だ。  壁にヒビが入ってるし?石田の話じゃ突然、洗濯機が動かなくなったらしい。    韓国製らしい。  ストロングゼロをコンビニで買って柿の種をつまみに飲んだ。  石田がトイレに入っている間、指紋キットを使って奴の缶ビールから採取した。コイツと連城殺しの現場の指紋を照合する。  水の流れる音がした。     急いでセットをバッグにしまう。  カチャリ、ドアが開いてヒヤヒヤした。 「あー、最近便秘なんだぁ」      
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