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ピンポーン。
家のチャイムが鳴った。
祥子は『入ってー!』と大きな声を上げた。
ニヤニヤと笑う祥子に、百合の彼氏は『なんだよ。誰だよ?』と言った。
『手間を省いてあげたの。』
祥子の言葉に百合の彼氏は顔を青くした。
『入るよー。』と言う声と共にドアが開いた。
案の定、そこには百合の姿があった。
親友の祥子の部屋で、半裸の彼氏を見つけた百合は言葉を失った。
しばらくの間、時計のカチカチと進む音だけが部屋を占拠した。
『何これ?』
最初に沈黙を破ったのは百合だった。
『見ての通りだよ。最後まではしてないけど。』
祥子は悪びれる事なく言った。
2人の会話に挟まれた彼氏は何も言えないでいた。
『ちょっと、どういうこと?』
百合は彼氏に言い寄った。
テンパる彼氏に祥子は微笑した。
『ハッキリ言いなよ!誘われたからエッチしたって!百合より良かったって!』
『はあ?』
百合は眉間にシワを寄せて祥子を睨みつけた。
百合の矛先が祥子に向いた。
彼氏は少し安堵の表情を浮かべていた。
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