第1章。

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ピンポーン。 家のチャイムが鳴った。 祥子は『入ってー!』と大きな声を上げた。 ニヤニヤと笑う祥子に、百合の彼氏は『なんだよ。誰だよ?』と言った。 『手間を省いてあげたの。』 祥子の言葉に百合の彼氏は顔を青くした。 『入るよー。』と言う声と共にドアが開いた。 案の定、そこには百合の姿があった。 親友の祥子の部屋で、半裸の彼氏を見つけた百合は言葉を失った。 しばらくの間、時計のカチカチと進む音だけが部屋を占拠した。 『何これ?』 最初に沈黙を破ったのは百合だった。 『見ての通りだよ。最後まではしてないけど。』 祥子は悪びれる事なく言った。 2人の会話に挟まれた彼氏は何も言えないでいた。 『ちょっと、どういうこと?』 百合は彼氏に言い寄った。 テンパる彼氏に祥子は微笑した。 『ハッキリ言いなよ!誘われたからエッチしたって!百合より良かったって!』 『はあ?』 百合は眉間にシワを寄せて祥子を睨みつけた。 百合の矛先が祥子に向いた。 彼氏は少し安堵の表情を浮かべていた。
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