ある日の事

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先生は、お出かけはあまりしない。しないというよりも、よっぽど心動かされた時は 出かけるが、慎重ではある。 なぜなら、良くないことが起きるからだ。 先日のこと、私と一緒に、ちょっとスーパーに出かけた時の事だ。 ちょうど行こうとしていた店から万引き犯が追われて逃げ出てきたところだった。 先生は素早く状況を理解し、おどけたような感じで、相手の進路を塞いだのだ。 だけど、ここで良くないことが。相手がバタフライナイフのようなものを取り出したのだ。 先生の目が一瞬で変わった。 私が傍にいたからかもしれないけれど、守ってくれようとしたのかな? こんな時に不謹慎かもしれないけれど、あのドキドキは忘れられない。 でも、ほんと一瞬の事だったから、もしかしたら見間違い? 思い違い?かもしれなかったけれど、本当に空気が変わった。 相手がナイフを突き付けて来たと思った次の瞬間、 相手の手からナイフは無くなっていたし、地面に組み伏せられていた。 どうしてそうなったのかは分からないけれど、先生が捕まえたことには変わりなかった。 先生って強いんだ。 初めて思った。 そんな、華奢ではないけれど、細身の身体。 運動できそうじゃない白い肌。 だけど、ほんと、ビックリした出来事だった。 先生は私の方をみて、優しく微笑んでくれた。 ほんと、ドキッっとさせるしぐさは先生、うまい。
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