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オレンジ色のエプロンをつけた、ガタイのいい銀髪の大男に、少年達は固まる。 「エミちゃん、どったの?」 「ごめんなさい!」 陽介が驚きながら彼らに近づくと、バットを振った張本人は勢いよく頭を下げた。 「はへ……?」 何故謝られているのか分からない陽介は、間の抜けた声を出す。 「日向さん、実は……」 恵美子は苦笑しながら、事の経緯を陽介に話した。 「なるほどね、そんで坊主が元気に謝ったのか」 陽介が小柄な少年を見ると、彼はビクッと大きく身体を揺らし、再び頭を下げる。 「本当に、すいませんでした!」 「はははっ、それだけ反省してれば充分だよ。何よりエミちゃんも許してるみたいだし」 陽介は豪快に笑いながら言うと、恵美子に目配せする。 「すぐに謝ってくれましたし、何よりこうして大勢で送ってくれたんだもの。もう怒ってないわ」 「お姉さん……」 小柄な少年は安堵したように息をつく。 「どれ、荷物は俺が持つよ。ありがとな、坊主達。野球、頑張れよ」 陽介は彼らから荷物を受け取ると、ニカッと笑う。 「はい!」 彼らは声を揃えて一礼すると、来た道を戻っていく。 「エミちゃん、今日はもう上がっていいよ。病院行ってきな」 「ありがとうございます、そうします」 「結果が分かったら、連絡ちょーだい」 「はい」 恵美子はひだまりに入ると、ロッカールームで着替える。 「すいません、お疲れ様です」 「はーい、お大事に」 陽介に声をかけてひだまりを出ると、恵美子は病院に行った。 レントゲンを撮ってもらった結果、幸い、骨に異常はなく、湿布薬をもらって帰宅した。
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