隣の芝生は青く見えて

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 ふと、三年前の――中学時代のことを思い出していた。まだ久我と追って追い抜かされを繰り返していた時代、あの頃から、俺は久我のとなりを歩んでいるつもりだった。久我とともに歩いているつもりだった。 「……クソッ」  また二人で歩ける日は来るのだろうか。あるはずがないと理解していながらも、もう一度だけ、彼のとなりに立ちたいとどこかで思っていた。 **********
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