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 後悔はしていない。当然の報いだと思っている。ただ、目の前に転がる死体を目の前にし、どう処分しようかと考えあぐねていた時、ふと思ってしまったのだ。 ――面倒くさいな、と。    車で山へ埋めに行く。バラバラにして海へ捨てる。火をつけて荼毘にふす。どれも労力がいる作業だ。  なぜ、と思ってしまった。  なぜ、私がこんな奴らのために骨を折らねばならない。2人を殺した。それで私の目的は充分に果たした。これ以上、こいつらのために時間を使いたくない。これ以上、何もしたくない。  だから。  私は鏡の世界へ逃げ込んだのだ。  後の始末をもう一人の自分に託して。    刹那。  部屋の奥で悲鳴が聞こえた。それは『私』の声だった。どうやら見つけたようである。    血の海に浮かぶ男女の遺体を――。
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