真・実録怪談雑記

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3 座りこむ者 「真・実録怪談雑記」第三話です 昨夜 仕事終了間際 ゴタゴタがあって 帰りの時間がいつもより 30分ほど遅くなり 夜の零時までは あと二〇分ほど まあ すぐに 日にちが変わるってなその時間に 家の近所にある空き地の横を通ったんですよ まあその空き地って言うのは 何か建てる為に 更地にしたのだが  まだ建築物は建てる様子もなく 夏場は雑草が生え放題 冬場は雪など降れば銀世界になってしまうくらいの広さがあって 近所で催しがあると その針金バリケードで囲まれてるそこは 車二〇台以上は停まれる臨時駐車場になるような場所なのだが 周囲は家に囲まれてる所と道路に面してる所があり まあ見通しがいいんですよ で 昨夜 満月に近い月の明かりが  その空き地を照らしてました が その空き地の真ん中あたりに 何か違和感が? 黒い何かが疼くまってるように見えて よく 目を凝らして見れば 人間大くらいの黒いものが 膝を抱えて座ってるようにしか見えなかったんですよ でも そんな中へ 針金退けて わざわざ入り込み 空き地の真ん中に座り込みをするような酔狂なのもいる分けないと思い 「ありゃ 犬かなんかが入り込んだんだな」と思い込み その変なのに気がつかれないように目線を外して 帰宅したんだな が 空き地に面した道を過ぎる時  気になってもう一回確認すれば 空き地の真ん中に座り陣取ってやつ いないんですよ 跡形もなく 目を逸らしたのは ほんの数歩 移動しただけ それなのに 忽然と消え失せていました ただ どっか行っただけだろう?と皆さんも思いますよね 所が ほんの数歩で 見えなくなる位置へ移動ってムリなんですよ 満月っぽい明るさと空き地の広さと そして針金で囲まれてるんですよ 例え 空き地の真ん中から 端へ移動できても 障害物もなく月の明かりもあり そこから テレポート(瞬間移動)でもしなければ 物理的に無理な相談なんですよねえ っで、家に帰ってから、 あれはいったいなんだったんだ?と あそこに座り込みしてたのも意味があるのか? ほんの数歩で そいつはどこへ失せてしまったのか? いやあ なんとも不思議な出来事でしたね.
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