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勘違いか!
だが、歯ぎしりしても遅い。
集中力は切れ、自分が動いた音で周りの音はかき消されてしまった。
着地と同時に磁気の〈盾〉を張る。しかし、これは長くは保たない。
木立を見上げる。どこだ。
そのときやっと、磁気ではなく「音」に反応してしまったことに気づいた。
が、自己嫌悪に陥っている場合ではない。
動くべきか、じっとしているべきか。
〈盾〉が消えたとき、真後ろに鋭い磁気が落ちるのを感じた。
反射的に駆け出す。
どこだ。
風は激しさを増す一方。
磁気は雷のように、走る彼の周囲に落ち続ける。
逃げてばかりではダメだ。反撃に転じなくては。
だが、どうやって?
──木に登ったほうがいいんだ!
上から落とされる磁気の入射角が急すぎるから、出どころを特定できないのだ。絶えず動いているから、なおさらである。
自分も木の上に行けば、磁気の発射源の方向がわかりやすくなる。
敵に近づいてしまうことを恐れるあまり、気づくことができなかった。
すぐに手近の木に取り付いて、幹を垂直に駆け上がる。
どの方向から攻撃が……と構えていたが、次の磁気は、予想外の方向──下から飛んできた。
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