第二章

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「おまえら、このボウズはなあ、はぐれ〈狗〉(ピン)に見えるけど、シヅエんとこと通じてんだよ。そのへんのけじめはきっちりつけろ」  売り子たちは、とたんにしゅんとなった。小梅は再び、リョウに向き直った。 「おまえも、何も考えてないみたいだけど、あんまし他の群れに近づくとシヅエからもよく思われないぜ。でも、今日はホントに助かったよ。ありがとな」  ちょうどその時、小梅の後ろに葉木がやってきた。もう白衣は脱いで、Tシャツとジーンズに着替えをすませている。 「おい、行くぜ」  リョウは思わず左右を見、それから自分を指した。 「えっ、ぼく?」 「ったりめーだろ。ほかに誰がいんだよ」  たくさんいるけど、と言いかけてリョウは、この場では葉木と自分だけが小梅の「群れ」に属していないことを思い出した。  リョウは売り子の三人娘に惜しまれながら、葉木とともに裏口から外へ出た。
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