第一章

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 さよみは書類をまとめて封筒に入れた。それから今度は、リストのようなものが白黒で印刷された一枚の紙を出した。 「もう一つのご用件の手助けになるかと思います。全て、うちの関連のところです」  リョウはその紙を受け取って、感嘆の声をあげた。 「へえ、こんなにあるんですね」  その目が、リストのある箇所に釘付けになった。  紙が破れそうな勢いでそこに指先を突きつけ、机の上に身を乗り出す。 「ここ! ここでお願いします」 「早いですね」  さよみは苦笑したが、リョウの指先の文字を見ると、眉を寄せた。「あら、ここって……」 「だめなんですか」  リョウの口調は切実だ。さよみは、うーんと唸った。 「いずれにしろ、頭領の許可をいただかなければなりませんので」 「ぜひ、お願いします」  リョウは真剣な顔で迫った。 「強いご要望があるということは、お伝えしておきます」  さよみが冷静に言うと、リョウも少しクールダウンした。姿勢を戻して 「ありがとうございます」  と言った。  さよみは、リョウが示したところに印をつけてその紙を預かった。それから、同じものを新たにプリントアウトしてさっきの封筒に一緒に入れ、彼に渡した。
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