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買い物に出るだけと分かると安心したのか、ウキウキした様子で俺に肩をぶつけてくる。中年のノリがウザいけど、まあ仕方ない。
喜色満面の顔では悪い気もしなくて、俺は笑ってブラックを押し戻した。
「はいはい、じゃあさっさと帰って昼飯食べようぜ」
「うわぁ、楽しみだな~! 僕昼食は食べずに待ってようかな~」
「バカ! 食わないと駄目って言われたばっかりだろ!!」
「あー……そうだった」
メシが美味いって散々説明されてたのに、それでも俺の作る料理の方がいいらしい。そう言う所は正直ちょっと、嬉しい……と思わんでもない。
だって、料理の腕は黒曜の使者の力と関係ないしな。
しょぼい物しか出来ないけど、喜んで食べてくれる奴がいるってのは本当にありがたい事だ。例えそれがセクハラ中年でもな。
だから、まあ……。そこまで言ってくれるんなら、頑張ってみたい。
母さんが作ってた料理のうろ覚えでしかないけど、この世界の材料でスイーツとやらに初挑戦してみるか。
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