5.はじめての飲料と守護獣の闇

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   ハーモニックに入ってからと言うもの、よくこんな事が有ったけど……ここでも遭遇しなきゃならなかったとはね……。  あのですねお兄さんがた、俺みたいな世間一般に見かけるガキよりナイスバディのお姉さんナンパしましょうよ。俺そういうキャラじゃないんだって。  せめてナンパは美少年とかでしょ、俺別にそんな風に騒がれた事ないよ。  あれ、なんか腹立ってきた。ちくしょう俺はどうせ美少年じゃねーよ、童貞童顔の田舎ボーイだよくそう。掴みかかってやろうか。  しかしまともに取り合うと酷い事になるのは経験済みだったので、俺はそろそろと男達の囲いから抜け出して猛ダッシュで治療院へと駆け込んだ。  駄目だ、俺の為にも早くブラックに回復して貰わないと。  一人で居たら、ケツが幾つあっても足りないぞコレ。好きか嫌いかはともかく、ブラックが居ればナンパとかゼロになるし、少なくとも危険度はぐっと減る。  くそー、こんな所でありがたみが分かるとか嫌だー。 「あら、クグルギさん。今日はヘビちゃんを連れていらしたんですね」  慌てて入って来た俺にも、藍色の髪の一重美人リーナさんは天使のほほえみだ。やっぱり美人はいい。心を癒してくれる。  一気に心を浄化されつつ、俺はリーナさんに受付して貰っておりこうさんで順番を待った。……待つ間になんか色んな所からチラチラ見られてたけど気にしない。気にしないぞ。 「クグルギさーん、ロクショウちゃーん、診察室へどうぞ」  やっと呼ばれて、俺は脱兎の如く診察室に入った。  た、助かった……もう少しで視線に耐えられず逃げ出すところだったぜ。 「やあ、ロクショウ君は目覚めたそうだね」  そう言いつつ手を上げて挨拶してくれるサリクさん。ああ、普通の目で俺を見てくれる人がいるって本当ありがたいな……。  感動しつつ、俺は早速ロクをサリクさんに診せる。  ロクは警戒していたが、俺の態度を見て敵ではないと分かったらしく、大人しくしてくれた。掌を体の前で動かされて、くすぐったそうにしてるのが可愛い。  
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