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最期に見たのは、迫り来る神崎くんの頭。
いえ、最「後」です。
「えっ……。」
ごっちーん!!
そうか…度胸が足りなかった……。
予想通り。私は神崎くんと頭をぶつけた。
「痛たたたた…なにごと…。」
あれ?いつも輝いている神崎くんが、銀色の光で余計輝いて見えるのは気のせいかしら…?
いや、気のせいなんかじゃないわ……。
「お前、その銀色の光、目が回った時とか、頭打った時に出てくるやつな!ほら、漫画では星としてでてくるやつ!」
「あー、そんなものがない事もないわね。」
「意味深ー!!てか、説明はいらんし、今頃お嬢様ぶってるのもやめろ!隼人倒れてるんだぞ!」
「…え?倒れ………。」
確かに……神崎くんは、廊下に大の字で寝ている。
「かっ…神崎くんっ…!私を置いていかないで…!逝く時は二人で逝くって…約束したじゃない…!」
「いや、今はシリアスにしようぜ?!あとお前、約束してないだろうに…。」
その時、神崎くんが頭を擦りながらゆっくり起き上がった。
「あれ?なんで倒れたっけ……。」
その瞬間、抑えきれなくなった想いに、私は神崎くんにとびついた。
「神崎くんっ!!ごめん…私のせいで…ホントに…ごめんっ…!」
私は、泣いた。
これ以上ないってほど、とめどなく溢れる涙を止めることなどできなかった。
神崎くんが、好きだから…。
だからもう、どこにも行かないで……。
「うーん、いきなりシリアス来るのか…てかお前の涙腺、緩まるの遅くないか?」
そんな次郎のツッコミを無視してまで泣き叫んだ私の耳に入ったのは、衝撃的な神崎くんの声。
「………きみ、だれ??」
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