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「……え?」
時が止まった。
神崎くんの好きな人。すきなひと。酢気名費都。SUKINAHITO……。
なんてこったい!!
「は?!次郎、おまっ…何言って…!!」
「俺は真実を言っただけー。隼人、とりあえず保健室行くぞ。」
「私もついて行く!神崎くんの彼女として!!」
「気が早すぎるだろ!!お前は教室で静かに待っとれ!」
「………はーい。」
なんていい子なんだろね、わたし。
おとなしく席につき、私は回想を始めた。
三人の私が、脳内で動き回る。
わたしA(真面目vr.)「さっき…次郎くんは、確かにいいましたね…。
神崎くんの好きな人は私だと!!」
わたしB(恋するお嬢様vr.)「ええ、間違いなく…この耳で聞きましたわ!
まあ以前からあんなことやこんなことがありましたしね…。
あれもこれも脈アリのサインだったに違いないわ。」
わたしC(探偵vr.)「はい、まずひとつめ。
私が消しゴムを忘れた時、何も言わなくても隣からヒョイッと貸してくれたこと。
その消しゴムの大きさは、縦二センチ、横二センチ。」
わたしA「ありましたね…そんなこと。
そういえば、この前教室のど真ん中で神崎くんに話しかけようとしたら、『大勢の前で話しかけるな』みたいな事を言われたの。」
話してたんじゃん。
さっき初めて喋ったとか言ったのはどこの誰。
はい、只今教室で頭を抱えている美少女、わたしが言いました。
わたしABC「そんな事を言われたら…もう…決まっちゃうよね…。」
嫌われてること……。
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