番外編その1

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結局、挨拶から時間を開けずに その月末で、彼女のマンションを引き払う事になった。 新居は、先の事を考えて会社の最寄り駅ではなく、電車で1本の郊外に戸建てを買う事にした。運良くいい土地に巡り会えた。 やたらと自分の近所を勧めてくる社長の意見を一蹴して やたらとマンションがいいと言ってくる彼女をなだめて、ようやく決まった。 「マンションだと、悠さんがどこにいるか、すぐに分かるのに」 涙目で文句を言う彼女に 「だいたい、俺の膝にいるんでしょ」 そう言うと納得した。 ……家族、か。なかなか感慨深い。 結局、年内の挙式は難しくて、年明けくらいになった。籍は、挙式より少し早く 彼女がクリスマスイブが良いって言うので そうすることにした。 俺の美智との婚約破棄を配慮して時間をかけてくれているのかもしれない。 ……そう思っていたけど 「ピアス、買ってくれた日ですもん」 彼女はそう言った。 ……プロポーズの日だから、じゃなくて、そっちか。 うん、でも…… 彼女にとって良い思い出に変わっているなら ……俺も良かったと思う。
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