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全く……そろそろ飽きてもいいくらいの年月を費やしているのに
飽きるどころか、慣れもせず、赤くなっては、俯く。
そのくせ妙に……困らせる。毎日、堪らない程の可愛さで。
「家に帰ったら、ここは君だけの場所だからね」
そう言って、俺の膝に座る彼女を後ろから抱き締めて細い首に唇を寄せる。
ぐりんと俺の方を向くと、俺の首に手を回し
「好きです、悠さん」
いつものようにそう言う。
近くで見ると、とんでもなく可愛い。
「私以外は、可愛いって言わないで!」
……言わないというか……
この顔見慣れちゃうと……
「……言えないよね」
俺の言葉に真っ赤になったものの、俯かないのは……キスをして欲しいから。
「俺も、好きだよ」
そう言って、何度目だろうと、気持ちが高まって、キスをする。
こうやって、毎日一緒過ごして、一緒に眠って、一緒に出勤する。
会社の前で繋いだ手を離すのに
寂しくないかと言われたら嘘になるけれど
会社を出る時にまた繋げる事を知っているから
平気、なんだよね。
願わくば、新入社員には早く気付いて欲しくもある。
“俺の”だって。
なんて……ちょっと大人気ないかな。
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