番外編その3

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感無量。 感無量ってやつだ。 もういい、もう。 目の前には、大好きな悠さん。その横に、うちの母親。 母親と悠さん。 そのツーショットだけでもう…大満足ってもんだ。 テンションの上がった母親のマシンガントークに、悠さんが優しく相槌を打ってる。 母親と大好きな悠さんという……接点のない筈の二人が並ぶ。 そんなことは、あるわけが無かった。 それが目の前に…… 感無量。 もう既に泣ける。 悠さんも、私の家族に……身内になるんだなぁ。 ──この日は結婚式のドレス選びに来ていた。 母親の希望で連れて来たけれど…… もう帰ってもいいくらい私は満足した。 悠さんが物凄く嬉しそうにピンクのドレスを持っているけれど…… あのフリフリを着せられる恐怖も、今日は我慢出来るってもんだ。 麗佳さんみたいな大人っぽいドレス…… 盛り上がってる二人に背を向けて、こっそりあてがってみる。 ………。 予想の数千倍似合わない。 こういうのは、麗佳さんだから似合うのか。 はぁ 「ね、ほら、ディズニープリンセスのドレスみたいに、水色とか、黄色も素敵!」 母親の甲高い声が聞こえた。 アラサーに、プリンセス?……黄色? いいや、何でも。 あの二人が楽しそうだし。私は今日は着せ替え人形として過ごそう。
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