番外編その3

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「わ、可愛いね」 ピンクのドレス着て試着室から出ると、悠さんがそう言って 母親も頷く。 その二人の様子に私はまた……満足した。 「せっかくだから、色々着てみましょうよ」 母親の言葉に 「そうですね、とても可愛らしい新婦さんですので、どれもお似合いになって、悩みますね」 お色直しのドレス1着に凄い金額が…… スタッフのそんな思惑に 「僕もそう思います」 なんて、大人な悠さんが乗せられるもので……嬉しいんだろうな、悠さんも。 「もう、挙式無しでいいくらい大満足」 思わず口に出した。 それを察したのか悠さんが優しく笑う。 「駄目だよ、皆に見て貰おうね、俺達が夫婦になったんだって事」 ……そうか “夫婦” 悠さんと? 「うぇー……」泣く。もう、駄目、泣く。 「「えぇ!?」」 母親及び悠さん及びスタッフさんが物凄く驚いていたけれど 「すみません、つい」 渡されたティッシュで鼻をかんだ。 「佳子ちゃんの結婚式も、朝から泣いてたもんね」 「何で知ってるんですか?」 「……式場の時点でメイクとれてたしね。鼻も赤い」 ピッと悠さんが私の鼻を優しく弾いて 爽やかに笑った。
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