第3話 side runa

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ああ、そして……ついにやって来ました。最後に教えてもらう人が……。 麗佳さん。 年上の女性は元々苦手。しかも、まともに話した事もない。彼女はこちらを一瞥し 「行きましょうか」 それだけ言った。わからなければその場で質問し、メモを取り、自分なりに理解しようした。後で色々つつかれないように頑張った。質問には答えてくれたし、説明も丁寧だった。取引先を出ると、 「少し、休憩して帰りましょうか」 意外にもそう言われ、頷いた。セルフのカフェだったので 「コーヒー、私が買ってきます」 そう言うと。一蹴された。 「結構よ、そんなつもりで誘ったわけではないし。自分で行くわ」 ……思わず立ちすくんだ。何か、気に障ったのかも。奢ってくれると言われたけど……ここで素直に出してもらって、また何か言われても、そう思い 「自分の分は自分で払います」 そう言った。 ……会話もなく、無言でコーヒーを飲んだ。それにしても、所作も瞬き一つ一つ 綺麗な人。 「……あんまり、見ないでくれる? 」 麗佳さんの言葉で、自分が魅入ってたのに気がついた。 「す、すみません」 すぐに謝った。 ……失礼……だったよね。 でも、そんな言い方なくない?こんなに綺麗なんだから、見たいわよ。馴れてるでしょ、見られる事なんて……でも、まぁ視線が不躾だったか。 明日も明後日も、これか。早く終わらないかな。 ────次の日、それとなく佳子さんに話を出してみた。何か麗佳さんの事、聞けるかもしれない。“キツイよね”とか“感じ悪いよね”とか?佳子さんも思ってるかもしれない。 ……もうすでにこの頃には、佳子さんを見るとホッとするようになっていた。これも油断させるのも彼女のやり方なのかもと、まだ疑っていて、念のため注意はしておいた。 「最後、麗佳さんだもんね~、綺麗で見とれちゃうでしょ? 今日同行の会社なんて男性多いから……麗佳さんとるなちゃんが揃うと、骨抜きにできちゃうんじゃない? 」 佳子さんは嬉しそうに頷いた。たぶん、想像して笑ってる。 「確かに、凄い綺麗ですけど……でも」 「うんうん、わかるよ。可愛さもあるよね」 は?可愛さ?無いけど?少なくとも、私には全くわかりませんでしたけど?
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