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数分後、数機のヘリが飛んできた。
「ご覧ください! あれが突如として現れた謎の怪獣です! 今は動く様子を見せていません! しかしこれほどの巨体です! もし動き出せば町は潰滅的な被害を受けるでしょう!」
ヘリは怪物の背後から近づいた。
「まるで巨大なトカゲです! 皆さん、これは映画ではありません! 現実です! 怪獣は現実に私たちの目の前にいるのです!」
怪物はあくびのように大口を開けて咆哮した。
凄まじい衝撃波がビルのガラスを打ち砕いた。
わずかに俯いた後、怪物は幹線を南に向かってゆっくりと歩き始めた。
巨大な足が地面を踏むたびに大地が揺れる。
怪物の動きは緩慢だった。
長い尾を引きずりながら一歩、一歩と這うさまは、人々に恐怖と絶望を植え付けるには充分だった。
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