怪獣襲来!

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けたたましいビープ音が鳴り響き、実験の終了が告げられる。 密閉されたカプセルから白煙が漏れると、様子を見ていた数名の研究班が集まった。 「予定より30分以上も早いが……数値に異常はないようだ」 「座標の設定に間違いはない。彼が手動で帰還したんだ」 しばらくしてビープ音が鳴り止み、カプセルがゆっくりと開く。 「散々な目に遭ったぞ……」 気怠そうに身を起こして大きく背伸びをする。 「いったい何があった? 装置のトラブルか?」 「いや、正常に作動していた。ちょっと面倒ごとがあってな」 彼は落魄した様子で経緯を説明した。 「時間移動……これは間違いなく果たせたよ。タイムマシンは完成したと言っていい」 「問題は現地に及ぼす影響か。到着地点の設定は改善の余地ありだな」 「時代にもよるが、あのミニチュアみたいな町は迂闊に動くと踏みつぶしそうになるからな。壊さないように歩くのは大変だった」 「その様子だと現地の生物は大騒ぎになったんじゃないのか?」 「それだよ。連中、おもちゃの車だか飛行機だかを持ち出してきてさ。一丁前に弾が出るんだぜ。むず痒くてしかたなかったよ」 彼は大袈裟に腕を振ってから緑色の皮膚を見つめた。 「町を壊しちゃまずいと思ってさ。そっと平地に向かって移動したんだ。そうしたらデカいミサイルみたいなのを持ち出してきたんだ。 あれには驚いたな。さすがにケガをするかもしれないと思って慌ててボタンを押した」 「そりゃ残念だったな。観光もろくにできなかったんじゃないのか?」 「座標がまずかったな。今度は山のてっぺんか海底にしたほうがいい。それにしても――」 彼は憮然として言った。 「あんな野蛮なのがオレたちの祖先だとはね」
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