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第5章
室内には時計の秒針が動く音がやけに大きく聞こえていた。
咲楽が帰ってきたときのために…と、去年建てた一軒家。
6LDKのかなり大きい家だが、二人で住むには広すぎる。
二階の部屋は全く使われておらず、一階のリビングと寝室、客間だけが生活スペースだった。
ただ、二階の一室には咲楽の荷物が置いてあり、円華はたまにその部屋に出向いては、咲楽の匂いを確認した。
まだ生きてると信じたかった。
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