一 幼少期から小学生時代まで

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ここで、父と母について少し詳しく書いておきたい。 父は、不倫を繰り返す男だった。モテる男ではあったらしい。 しかし何より、生活力がない男だった。 問題解決ができない男だった。 そんな父を選んだ母は、明るく、強く、元気な女だった。 いつも笑顔で、子どもには愛情を持って接し、よく働く女性だった。 ただ、二人とも無知だった。 特に金に関しては、悲しいほど無知だった。 父の元妻への慰謝料 そして望まぬ妊娠、子育て・・・ 二人はある時から、ギャンブルにのめりこんでいった。 すぐに金はなくなった。 そして、二人はいわゆる消費者金融に手を出すようになった。 身内に金の無心を繰り返すようになった。 いや、正確には二人ではない。 父はそういう問題をすべて母に押しつけていた。 母は昼夜問わず働き、消費者金融から金を借り、身内に金の無心をし、そのストレスをギャンブルで発散し、そしてまた金がなくなるという悪循環に陥っていた。
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