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「そうね……、お気に入りだった従者をいきなりクビにしたことには驚いたわ」
「ああ、あれには僕も驚いた。数日会わないでいて、訪ねたら新しい従者が応対に出て」
「オージアスでしょ。すごく洗練されてて有能そうだけど、何だか冷たい感じがする。わたし、あんまり好きじゃないわ。エリックが鬱陶しくなったからクビにしたそうだけど」
そのことを尋ねた時の、兄の異様な反応が思い出され、ソニアはぞくりとした。
「……お兄様、エリックが悪いんだって繰り返してた。そういうのってお兄様らしくないと思うの。今まで一度だってそんなふうにエリックを責めたことなかったのに……」
「案外、本心だったのかもしれないな。──ヒューは半年くらい前、とあるクラブに入ったんだ。ロイザには大小様々な規模の学生クラブがあってね。趣味の同好会から政治議論をするところ、哲学・宗教関係、真面目なものからふざけたものまで色々だ。その中に、〈世界の魂〉と名乗るちょっと変わったクラブがある」
「〈世界の魂〉? 哲学サークルか何か?」
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