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刀身が淡い金色に輝き、根元から切っ先まで炎の神文が踊った。ソニアは目を見開き、サーベルを握る将校を見つめた。彼の身体を〈第五元素〉の輝きが包んでいた。
(錬魔士……!?)
両手で握っている武器がいつのまにかサーベルから両刃の大剣に変わっていた。直視できないほどの霊気に圧倒されつつも、ソニアは必死にその場の光景を見定めようとした。
将校は振りかざした大剣を鋭い気合とともに斬り降ろした。刃が届く距離ではなかったが、霊気は激しくも鋭い奔流となって怪物に襲いかかる。躱す暇もなく、怪物の身体が吹き飛んだ。
「お兄様ぁっ……!」
ソニアの叫びは怪物が背後の小塔にぶつかって周囲を破壊する音にまぎれた。石壁が衝撃の余波で壊れる。怪物は瓦礫に巻き込まれながら城壁の外へ落下して行った。
まだ不穏な輝きにゆらめく大剣を引っさげ、将校は苦々しく吐き出した。
「……くそ。やりすぎたか」
跳ね起きたソニアは城壁に飛びついて下を覗き込んだ。城壁の下はそのまま堀になっている。大量の瓦礫が水面に落ちて派手な水しぶきが上がった。
堀際で人の怒鳴り声が響き、カンテラの灯が激しく揺れる。背後から慌ただしく靴音が近づき、将校を呼んだ。
「少佐!」
「ここはいい。馬鹿貴族どもはどうした」
「全員護送車に乗せました」
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